ケガと故障の違いとは? クライミングにおけるレストのコツ

大会 HOW TO
2017.08.18
協力=公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会 文=杉山典之

「この痛みはレストをしたほうがいいの?」

ある日のこと、あなたはいつもよりちょっと頑張りすぎたのか、登った後にヒジに違和感を覚えました。その後もその違和感が消えることはなく、ある日のデッドを境にいよいよヒジの違和感は痛みに変わりました。

まぁ、登っていたらそのうち痛みもなくなるだろう。 そんな想像とは裏腹に痛みが強くなっていくヒジ。 これはまずいと思い、近くの整骨院に行ってみたところ、先生に「使い痛み」だと言われました。

さて、あなたはレストをしますか?それともそのまま登り続けますか?

クライミングをやっている以上、ついてまわるのが「ケガと故障」です。 今回は「ケガと故障、レストのコツ」についてお話ししましょう。

そもそも何が違うの?「ケガと故障」 

ケガと故障の違いをご存知でしょうか? まずはこのふたつのことばを定義しておきましょう。

「落下したときに足首をひねった」
「スラブを登っていたら膝をぶつけた」
「バランスを崩して踏ん張った際に太ももを肉離れした」

など、一回の力であきらかに負傷した原因がわかるもの、これが『ケガ』です。 そして 

「なぜだかわからないけれど、登りはじめに肩が痛い」
「登っているときはそうでもないんだけど、終わりがけになってきたらだんだんと股関節に違和感が出てくる」
「難しい課題を登りはじめると指の関節が痛い」

など、いつから痛みがではじめたのかが曖昧で、特定の動きを反復すると徐々に症状が出てくる痛みや違和感、これが『故障』です。要するに受傷したタイミングが明確か、なんとなくからスタートしたのかによって区別します。

痛みがあったら登ってはいけないの?

ケガや故障など、痛みがあったらレストをしないといけないのでしょうか。 まず捻挫や肉離れの場合、目に見える変化がない場合もありますが(もちろん、ひどい場合は腫れたり内出血を起こしたりします)、基本的には筋肉や靭帯に傷を持っている状態です。 この状態で登ってしまうと傷口が広がってしまう可能性がありますよね。 こういった場合はレストして安静を保つことを強くオススメします。

レストの目安は傷口がふさがるまで。 痛みが出ている部分を押さえても痛みがない、負傷した筋肉や関節を伸ばしても痛みがないことが練習再開の目安です。

では、股関節や肩の故障はどうでしょうか。

故障原因の多くはミスユース=間違った使い方

そもそも故障とは、実はオーバーユース(使いすぎ)で起こることは少ないというのが今どきの考えかたです。 一般レベルで使いすぎであれば、世界レベルの選手たちはどうなるんだ? ということを考えれば、たしかに納得できますよね。

実際はミスユース=間違った使い方が故障の原因である場合が非常に多いです。 そのため、股関節も「キョンをすると痛いけど正体ならそんなに痛くない」とか、肩も「ガストンのときは痛いけど、他はそんなに」ということがあるのです。 つまり、正しい使いかたをしていれば痛みは出づらいのです。レストをしたとしても、間違ったムーブ動作が修正されない限り、痛みの再発リスクはついて回ります。

痛みがあるのに無理をして練習することを推奨するわけではありませんが、リハビリを受けながら少しずつムーブの修正をしていくのも悪くありません。 ムーブの修正で痛みが軽減するのであれば、様子を見ながらゆっくりと登っていくのは「あり」だということです。 もちろん、重ねてお伝えしますが無理は禁物ですよ。 勝手に判断せずに、プロに判断を委ねることも大切です。

今回お話ししたことは、あくまでも目安の話です。 これが絶対というわけではありませんが、故障の場合も安静が絶対的なものではないということを覚えておかれると良いでしょう。

「とりあえず登っていたら治る」ということも決してないわけではありませんが、当院を訪れる方々は、ことごとくこの都市伝説によって症状を悪化させています(苦笑

痛みがあって判断しかねるときは、お医者さんや整骨院の先生など、プロの意見を参考にされることも大切なこと。 痛みをなくして、楽しいクライミングライフを送りましょう!

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