クライミングでも意外と多いのが足首の捻挫です。クライミング以外の日常生活でも、階段の段差でくじいたり、学生時代の部活で一度くらいは経験があることでしょう。 そんな足首の捻挫の多くは、捻挫グセになったりします。 捻挫グセがついてしまうと、ホールドを踏んだときに違和感が出たり、足の不安定感でうまく足が使えなくなったりということも。また、捻挫が治ったはずなのに、どうにも肩が動かしづらいということが起こったりするのです。
今回は意外と厄介な足首の捻挫とセルフケアについてのお話です。
もともと足は唯一地面と接する部位で、自分自身の体重を支える部位でもあります。 一般的に足首と呼ばれている部分は「距腿関節」といい、「靭帯」と呼ばれる硬い組織によって安定しやすい構造になっています。 ただし、強い力が特定の靭帯にかかってしまうと、その靭帯が引き伸ばされてしまい、捻挫となってしまいます。
もちろん、腫れが起こったり痛みがあるうちは、安静にしたり固定します。しかし、関節そのものが正しい位置に収まりにくくなってしまい、筋肉がうまく使えなくなるので、見た目は治っていても機能的には不安定な状態が続くのです。 そんな状態で足首を同じように使ってしまうと、捻挫も再発しやすくなります。 これが捻挫グセの正体です。
捻挫してからどうにもパフォーマンスが上がらない気がする。 そんな話を聞くことがあります。 これは僕たちセラピストからすると、非常によくわかります。 人の体は全身繋がっています。 どこかが頑張らなくなるということは、また違ったどこかが頑張らなくてはいけないということなのです。
あまりピンとこない人も多いと思いますので、まずは試してみましょう。
1.足を腰幅、並行にして立ちます。
2.腕を横からゆっくりと上まで上げていきましょう。
実はこの際、手のひらの向きが途中で変わっていることに気づきましたか?
3.次は手のひらの向きを変えないで上げてみてください。
人によっては、左右の腕の上がり具合に差が生じると思います。
4.では、土踏まずにペンを挟み、もう一度同じように上げてみます。
多くの方が先ほどよりも、上げやすいと感じるのではないでしょうか。
このように、足の位置関係を変化させることで肩の動きに影響が出ることもあるのです。 それでは、どのようにして足首を安定させていけばいいのでしょうか。
今回は2つのセルフケアをご紹介します。
1.アキレス腱のセルフリリース
これは、関節の安定感を作るために足首の後ろ側の柔軟性を上げるエクササイズです。 まずは足首の後ろ側、アキレス腱を両側から指でつまみます。
皮膚が動かないようにつまんだら、足首をゆっくりと曲げ伸ばししましょう。 あくまでも皮膚をロックして筋肉を動かすことが目的です、あまり強くつまみすぎないように注意してください。
2.ペン踏み体操
足裏の関節の柔軟性を上げるためのエクササイズです。 立っている状態で、土踏まずにペンを挟み、左右に体重移動をしましょう。 次にかかとを動かさないようにスクワットを行ないます。
いろんな方向に動かして、関節をやわらかく保ちましょう。
今回ご紹介したのは、エクササイズのほんの一部です。 捻挫グセを解消して、楽しいクライミングライフを送りましょう!
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